GALLERY:小笠原諸島(東京都)

本州の南約1000kmに位置する亜熱帯の島々.現在進行中の進化が保存された生態系の価値の高さから,世界自然遺産に登録されている.メグロやオガサワラヒメミズナギドリなど固有の鳥の進化を誇る一方で,ノヤギやノネコ,ネズミ類などの影響で多くの絶滅が生じており,多様な外来生物関連事業が行われる対策の先進地域でもある.


オガサワラヒメミズナギドリ

2011年に新種として記載された海鳥.まだ小笠原の小さな無人島一箇所でしか営巣が見つかっていない超希少種である.

オガサワラカワラヒワ

カワラヒワの亜種だが,別種レベルに分化していることがDNA分析でわかっている.クマネズミの分布する島ではほぼ絶滅した.

クマネズミ

本来は植物食を中心とする雑食性だが,時に肉食性に傾く.地上でも樹上でも高い運動性を発揮し,海鳥・陸鳥を問わず捕食する世界的に危険視される侵略的外来種.



GALLERY:奄美大島(鹿児島県)

南西諸島の中央北よりに位置し,南西諸島では沖縄島に次いで2番目に大きい島である.沖縄島などとともに世界自然遺産登録に向け推薦されている.ルリカケスやアマミヤマシギをはじめ,トゲ状の親指を持つオットンガエルや生きた化石アマミノクロウサギなど固有種の宝庫である.移入されたフイリマングースが生物多様性に大きなインパクトを与えてきたが,地元と行政のタッグによる駆除事業が力強く進められている.


アマミヤマシギ

奄美群島のみで繁殖が確認されている.沖縄諸島で少数ながら観察される個体の生態についてはよくわかっていない.地上でミミズなどを食べるため,捕食者に襲われやすい.

アマミノクロウサギ

原始的な特徴を持つ夜行性のウサギ.地下に掘った巣穴で繁殖する.奄美大島と徳之島にしかいない.

フイリマングース

奄美大島にはハブ対策として1979年頃に導入されたが,在来の鳥や哺乳類などを絶滅の危機に追い込む結果となった.(撮影・奄美野生生物保護センター)



GALLERY:沖縄島(沖縄県)

南西諸島の中部の中核をなす島.奄美大島とともに世界自然遺産登録に向け推薦されている.沖縄島北部のやんばる地域は,島の独特の生態系を維持するショーウィンドゥとも言え,ヤンバルクイナやノグチゲラを中心に固有種がひしめき合う.数万年にわたり人間が住む島の中で維持されてきた豊かな自然は,自然と人間の共生を実現するモデルケースとして期待される.


ヤンバルクイナ

1981年に新種として記載された日本唯一の飛ばない鳥.外来種対策が功を奏して個体数を回復しつつある.

ノグチゲラ

やんばるにのみ生息する固有のキツツキ.地上性捕食者の少ない島で進化したためか,地面でよく採食する「地ツツキ」.

ノイヌ

ノネコによる鳥の捕食は世界的によく知られているが,最近のやんばるではノイヌも問題となっている.群れは人間にとっても脅威となる.(撮影・儀間朝治)